Salesforce開発の2大手段「フロー(宣言型)」と「Apex(プログラミング型)」の違いをしっかり理解し、
目的やチームのスキルに応じて最適な選択をしましょう。



目次
Apexとフロー、どちらを使うべき?〜メンテナンス性の観点から〜
Salesforce開発では、Apexとフローの両方が利用できますが、
どちらを選ぶかは“機能”だけでなく、“保守性”と“チーム構成”も重要な判断基準です。
🧩 フロー(宣言型開発)のメリットと注意点
管理者でも扱える柔軟な開発手段。手軽さの裏に落とし穴も。
✅ メリット
- ノーコード(またはローコード)で作成可能
- 管理者(アドミン)でも編集・保守できる
- 可視化された画面構成により、ロジックを他人が理解しやすい
- 将来の要件変更にも柔軟に対応しやすい
⚠️ 注意点
- フローの設計が複雑化すると、逆に読みにくくなる
- 処理数や制限値に注意が必要
👨💻 Apex(プログラミング型開発)のメリットと注意点
複雑な処理や拡張性に優れる反面、保守には専門知識が求められる。
✅ メリット
- 高度なロジックや非同期処理に対応できる
- 外部システムとの連携が柔軟にできる
- 大規模システムでも対応可能
⚠️ 注意点
- 開発者でなければ編集・理解が難しい
- アドミンが手を出せないため、保守の属人化が進みやすい
- 要件変更のたびに、開発・テスト・デプロイが必要
🧭 選定の指針:「誰が運用するか?」
判断基準 | フロー | APEX |
---|---|---|
利用者がシステム管理者中心 | ◎ | △ |
処理がシンプル | ◎ | △ |
処理が複雑/API連携あり | △ | ◎ |
保守の属人化を避けたい | ◎ | △ |
高速で精密な制御が必要 | △ | ◎ |
⏱️ フローとApex、どちらの方が生産性が高いか?
生産性の観点からも見てみましょう。
🔹 短期的な生産性:フローが圧倒的に高い
項目 | フロー |
---|---|
実装スピード | クリック操作だけでできるため、早い! |
修正・更新 | UI上で直感的に変更できる |
テスト | ユーザーテスト中心。テストクラス不要 |
デプロイ | 変更セットで比較的スムーズ(ただし少しコツあり) |
→ とにかく「すぐ動かしたい!」にはフローが最強です。
現場の担当者や管理者が自分で作れるため、ボトルネックが起きにくいという意味でも高生産性です。
🔸 長期的な生産性:Apexが有利になるケースも
項目 | Apex |
---|---|
再利用性 | クラスやトリガーを共通化すれば、高効率に |
複雑な処理 | フローでは表現しづらいロジックを1つのコードで実現可能 |
パフォーマンス | トランザクション制御やバルク処理などで最適化できる |
拡張性 | LWCやAPI連携などとの親和性が高い |
→ チームに優秀な開発者がいて、設計・レビュー・保守まで整っているなら、
長期的にはApexの方が安定して高効率になることもあります。
🎯 結論:生産性は「状況」と「チーム構成」による
チームのタイプ | 生産性が高いのは… |
---|---|
アドミン中心(非エンジニア多め) | フロー ◎ |
開発者が常駐&レビュー体制あり | Apex △(ただし要ルール) |
納期が短く、とりあえず動かしたい | フロー ◎ |
機能が複雑で処理量が多い | Apex ◎(工数は多いがスケーラブル) |
🔑 ノックスの格言
「万能な開発手段など存在しない。あるのは、適したタイミングだけだ。」
「未来の管理者も、今日の設計に感謝できるように。」
💡 まおの学びメモ
最初はフローで考えてみる。それで無理ならApex。
でも、Apexに行く前に、“誰がこの処理をメンテナンスするのか”を絶対に考える!
では、また次回の 異星人Salesforce講座 でお会いしましょう!👽✨