取引先って何?

Salesforceでは、顧客や取引先企業など、ビジネス上の関係者情報を「取引先(Account)」オブジェクトで管理します。取引先は他の多くのオブジェクトと関係を持つ中心的な存在であり、その役割を正しく理解することが、Salesforce運用の第一歩となります。本記事では、「取引先」とは何か、その活用イメージや関連する設定について解説します。


目次

🧭 取引先(オブジェクト)

🏢 取引先オブジェクトとは?

Salesforceでは、ビジネスに関わるさまざまな情報を「オブジェクト」として管理します。なかでも「取引先(Account)」オブジェクトは中核的な存在であり、多くの他のオブジェクトと関係を持つ、“親”のような役割を担っています。

取引先には、「法人」「団体」「店舗」などの組織情報を登録するのが基本ですが、設定によっては個人(個人取引先)も直接登録できます。

💻 取引先に該当する相手の例(出版業の場合)

種類登録対象としての分類例
顧客(BtoB)書店チェーン、セレクトショップ、卸売会社など
パートナー企業印刷会社、デザイナー事務所、広告代理店など
協業先・コラボ相手カフェ、観光施設、ファッションブランドなど
サービス提供元システム開発会社、物流会社など
個人顧客(設定次第)読者・ファン・個人サポーターなど(個人取引先)

💡 取引関係の「有無」だけでなく、「管理したいかどうか」も重要です。たとえば、問い合わせ履歴や案件との紐づけを行う場合、Salesforceに登録する意味があります。

🔗 関連オブジェクトとの関係性

取引先は、多くのオブジェクトの“親”となり、以下のような情報と結びつきます:

関連オブジェクト内容
取引先責任者 (Contact)その組織に所属する担当者の情報(人物)
商談(Opportunity)商品・サービスを提案・販売する案件の情報
ケース(Case)顧客からの問い合わせやトラブルに関する記録
ToDo /活動履歴メール・電話・打ち合わせなどのアクションの記録
カスタムオブジェクト自社独自の業務管理に必要な情報(例:契約、納品など)

これにより、取引先を起点に「どの顧客に、誰が、何を、いつ、どう対応したか」を一元的に把握できます。

【取引先と他のオブジェクトのリレーションイメージ】

💼 取引先の主なフィールド項目と活用のヒント

フィールド名用途と運用ポイント例
取引先名組織名や店舗名。重複を避けるために命名ルール(例:法人格の有無)を統一するのがおすすめ。
取引先種別「見込み顧客」「既存顧客」「パートナー」「仕入先」などの分類で、セグメント分析やリスト作成に活用。
業種出版、IT、飲食、教育など。顧客属性分析や業界別マーケティング施策に役立つ。
所在地(住所)都道府県や市区町村など。エリア担当者の割り振り、地域別売上の把握、訪問スケジュール作成に便利。
電話番号/FAXコンタクト手段として。外部CTIツールとの連携でクリック・トゥ・コール機能も。
Webサイト相手の会社情報確認用。Lightning画面に表示させると調査がスムーズに。
親取引先子会社や支店などの上位組織を設定。階層構造での集計レポートやグループ営業の管理に有効。
取引開始日(カスタム)いつから関係があるかを記録。契約更新時期や長期顧客の抽出などに使える。
取引ステータス(カスタム)「新規」「商談中」「契約中」「停止中」などの状態を明記し、営業管理にメリハリを持たせる。
所有者担当営業やカスタマーサクセスの名前。責任の所在が明確になり、タスク割り振りやフォロー漏れ防止にも◎。

💡 補足:フィールドは組織ごとにカスタマイズ可能です。標準項目を補完する形で、自社業務に沿ったカスタム項目を追加するのが一般的です。

【取引先レコードのサンプル】

👨‍💼 「個人取引先(Person Account)」とは?

通常、Salesforceでは「会社=取引先」「人物=取引先責任者」として分けて管理します。しかし、法人を介さず個人のお客様と直接やり取りする場合、これを別々に扱うのはやや煩雑です。

そこで登場するのが「個人取引先」です。これは、「取引先」と「取引先責任者」の情報を一体化させた、個人専用の取引先形式です。

  • 有効化には管理者による設定が必要
  • 通常の取引先とは一部構造が異なる(オブジェクト構造が特別)
  • BtoCビジネスを行う企業(例:サブスク、EC、教育業など)で特に有効

💡 例:「佐藤さくらさん」など、法人を持たないエンドユーザーを直接管理したいときに便利です。

⚠️ 注意:個人取引先は一度有効化すると取り消せません。
無効化する設定は存在せず、組織全体に影響するため、導入前に運用方針を明確に決めることが不可欠です。
Sandbox 環境などで十分にテスト・検証してから本番環境で有効化しましょう。

🎯 データの正確さが未来をつくる

「取引先」は、Salesforceのデータ構造の中心にある“軸”です。ここが曖昧だと、すべての関連情報がブレてしまいます。
しかし、適切な設計と運用ルールさえ整えれば、取引先は強力な情報のハブとして、営業・サポート・経営判断まで支えることができます。

🌟 ノックスの格言

「組織とは、ただの箱ではない。そこに集まる人と情報と意志が、ひとつの“世界”を形づくるのです」
(銀河歴8221年 ネクタリス・オーヴァ大学 情報魔法学部 卒業講義より)

(英訳:”An organization is more than just a structure; it is the people, the information, and the collective will within that create an entire ‘world’.”)
(原語訳:Elantria vos nemath sol atriun; vethari, infaleth, ka silvalun om’rei thal naros ka’dreth ‘spheral’.)

💡 まおの学びメモ

うちの会社と関係がある組織や人の情報をまとめる“箱”
お客さん、取次、印刷会社、コラボ先のカフェなど、いろんな立場の人たちを登録してOK!
「法人」も「個人」も扱えるけど、ちょっと運用が違う
“取引先”って一言で言っても、お客さんだけじゃなくて、“会社がつながってる相手全部”をまとめてるんだ…! パン屋さんもコラボするなら、立派な“取引先”になるんだな~🍞✨


では、また次回の 異星人Salesforce講座 でお会いしましょう!👽✨

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次